姑は、私とは正反対の人でした。
よく笑い、よくしゃべり、祖母の耳が遠いこともあって
家中に響く声で話す人でした。
社交的で、趣味も多く、友人と旅行によく出かけていました。
舅には会ったことがありません。夫が学生の頃に亡くなったそうです。
姑はずっと働いていて、
何かあると迷わず職場を変える人でした。
帰宅は遅く、話すのは朝の慌ただしい時間だけ。
今思えば、ゆっくりお茶を飲みながら距離を縮めるような時間は、ほとんどありませんでした。
知らない土地の習慣も多く、
姑はさらりと教えてくれました。
私も「お嫁さん」として、きちんとしようと思っていました。
ただ、姑は人の相談を自分のことのように抱える人でした。
夜中まで電話をして、最後に私に聞くのです。
「あなたはどう思う?」
うまく答えられませんでした。
世代も、経験も違う。
正直に言えば生意気に聞こえ、
言葉をにごせば、どこか物足りなさそうな顔をされる。
そのうち私は
「うまく答えられなくて」と
先に線を引くようになりました。
相談は減りました。
代わりに、ご近所へ出かけることが増えました。
それでよかったのだとと思っていました。
あの日が来るまでは。

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